銀行取引

他銀行から融資打診があったことをメインバンクに話すべきか?

融資打診を受けた時点で話した方が良い二つの場合は、その融資でメインバンクよりも残高が多くなってしまう場合と、銀行にとっての裏付け面(保証協会の保証・不動産担保)がメインバンクを上回る場合です。

メインバンクはあなたの会社に最初に融資をしてくれた銀行、もしくは先代から融資取引をしてきた銀行を想定しています。

会社にとっての最初の融資は、銀行にとって難しい融資です。銀行は過去の実績を基に融資判断をするのは得意ですが、実績がない先への融資判断は苦手です。その苦手な融資を実現させてくれ銀行に対しては、支店長や担当者が替わったとしても、敬意を表すべきではないでしょうか。

私には苦い思い出があります。銀行の先輩(既に退職して別会社に転籍していた方)からの紹介で、設立間もない会社の売上金が入るまでのつなぎ資金を無担保支店長権限で融資していた先が、他の銀行で保証協会付き融資を受けたことがありました。

無理をして融資をした私がとったリスクと私の気持ちが分からない会社には二度と融資をしませんでした。

後日、先輩に紹介を依頼した方が謝罪に来られました。先輩もその方も私のいた支店からは車で1時間以上かかる遠方にお住まいでした。紹介者には相談せずに他行から保証協会付き融資を得たとのことでした。

この場合、当行から保証依頼しても保証協会は、しばらく保証してくれません。なぜなら、保証協会は受付金融機関によって優劣をつけません(メインバンクを大事にしてくれる保証協会担当者もいましたが)。したがって、早い者勝ちなのです。

いったん保証が付くと一定期間次の保証がつきません。それは、資金不足になると見込んで、それを避けるために保証付き融資を実行したのにすぐ資金不足になるということは、その会社の資金繰り見込みが杜撰だったことになるからだと私は考えています。

保証協会も順調に返済してくれると考えて保証している訳ですから、すぐに資金繰りが破綻するような会社に次の保証は付けられないでしょう。

不動産担保がメインバンクを上回る時というのは、新規に不動産を取得する時です。会社にとって大きな案件は、まずメインバンクに相談するのが筋であり、先にサブバンクに相談するということはメインバンクを変更すると同じ意味です。

ただし、日本政策金融公庫中小企業事業(旧中小企業金融公庫)の直接貸付の場合はメインバンクも譲ってくれる場合が多いので、事前に相談しましょう。少なくともメインバンクに報告はしましょう。

無担保融資であれば、融資を受けた後で良いので話すべきです。いずれ決算書を提出すれば分かってしまいます(自行と決算書の融資残高を比較すれば分かります)ので、タイミングを見てメインバンクには伝えましょう。

勿論これは、メインバンクを牽制するためです。融資打診があったこと自体、メインバンクとしては「うかうかしていられない」ということになるので、あなたの会社に気を遣うようになり、情報を持ってくるようになるはずです。

ただし、当該融資を利用するとメインバンクと残高が逆転する場合は、絶対とは言いませんが、融資打診があった時点で相談した方が後々良いでしょう。

残高が逆転することだけで、メインバンクが変わったことにはなりませんが、メインバンクの銀行員にとって嬉しくないのは確かです。担当者・支店長との人間関係を大事すれば、今後の取引に悪いことはありません。

※メインバンクが交代するとは、決済口座(支払口座)、売上金受入口座を変更することだと私はとらえています。