ビジネス書

ケーキの切れない非行少年たち(3)

非行少年に共通する特徴5点+1

認知機能の弱さ(見たり聞いたり想像する力が弱い)
感情統制の弱さ(感情コントロールが苦手、すぐにキレる)
融通の利かなさ(思い付きでやってしまう、予想外のことに弱い)
不適切な自己評価(自信がありすぎる、なさすぎる。自分の問題点が分からない)
対人スキルの弱さ(人とのコミュニケーションが苦手)
+身体的不器用さ(力加減ができない、身体の使い方が不器用)

認知機能の弱さ
相手の表情をしっかり見ることができないので、
相手が睨んでいるように見えたり、馬鹿にしているように見える

聞く力が弱いので、独り言を言っているだけで、
自分の悪口を言っている誤解する

「見る」「聞く」情報が正しく入っても整理(認知)する機能が弱いと
伝えたい情報が正確に伝わらず、違う方向に行ってしまう。

「想像する力」が弱いと、「見る力」「聞く力」を補うことができない。

言われたことを正確に理解できていないが、何回も聞き返せないと感じて
または怒られるのが嫌で、分かったふりをしてしまう。
しかし、理解していないので、「嘘をつく」と誤解されてしまう。

想像する力の中で「時間の概念」が弱い非行少年が多い
時間概念が弱い子供は「昨日・今日・明日」の3日間の中で生きている
中には数分先のことも管理できない子もいる

先のことが考えられないので、先の目標が立てられない。
その結果、努力できない。
努力できないので、他人の努力が理解できない。
努力できないので、達成感や成功体験が得られない。
そのため、自己評価が低い状態から抜け出せない。

感情統制できないと認知機能も働かない。

五感を通して入った情報は「感情」というフィルターを通るため、
感情統制がうまくいかないと認知過程に影響が出る。

聞く力が弱いと、相手が言ってることが分からず、話についていけない。
見る力が弱いと、相手の表情が読み取れず、不適切な発言をしてしまう。
想像する力が弱いと、相手の立場を想像できず、相手を不快にさせてしまう。

このため、人とコミュケーションが取りづらく、対人スキルが弱くなる。

身体的不器用さは「発達性協調運動症」という疾患概念に近い。
具体的には皿を落とさないように一方の手で皿を掴み、
もう一方の手でスポンジを握って皿をこするという、
2本の手が別々の動作を同時に行うようなことを強調運動と言います。
この協調運動に困難を来すので、身体的不器用になる。

以下は私の感想です。

この本と「発達障害」に関する本の記載に共通して気になる点が、
認知能力(聞く力、見る力、想像する力)の弱さです。
それは、認知能力の弱い人に何人か会っているからです。

それらの出会った人達は20歳代30歳代でした。

想像する力が弱いのでしょう、目標を立てられないのです。
個別に面談すると「できない」と泣いてしまいます。
指示されたことしかできないので、評価を得ることができません。
自己評価が低くなり、鬱病に発展したケースもあります。

また、教えてもらって「分かりました」と返事はするものの、
聞く力弱く理解できていないので、実際に行うことができない。
理解できていないことを隠し、その場を乗り切るために
その場限りの「嘘」をついてしまうものの、すぐバレてします。
それが重なり、周囲の人々からの信頼を失くしてしまっています。

彼らはみな大学を卒業しており、入学難関校の卒業生もいました。
社会に出て初めて発達障害が分かったのです。

この本を読んで、彼らが犯罪に手を染めずに良かったと思う反面、
私は彼らの居場所を作ってあげることが出来ませんでした。
これから出会っても、できる自信が湧いてきません。