決算書

【銀行は売上総利益をこう見ている】

売上総利益は基本的に売上から売上原価を差し引いた値で、粗利(あらり)とも言います。

小売業や卸売業であれば仕入商品価格と売値の差額、製造業であれば製品を製作した費用価格と売値(納品価格)との差額になります。

サービス業は提供した技術やサービスの対価が主な売上になるので、売上価格から間接的に使用した材料価格を差し引くので、売上総利益は高めに出ます。
理美容業であれば、シャンプー購入費用などが、売上原価になります。

売上総利益を売上で割った指標を売上総利益率といい、銀行は重要視しています。
それは、会社利益の源泉を表わしているからです。この売上総利益率が高ければ経費等を差し引いた営業利益も、さらに金融費用等を差し引いた経常利益も高めに出るからです。

卸小売業であれば、商品仕入の目利き力、商品仕入の交渉力、製造業・サービス業であれば技術力、高価格帯のサービス・小売業では空間演出力など、それらが定着してくればブランド力となり、高い売上総利益率を維持できます。

売上総利益率は業種によって違います。大量な商品を仕入れて販売する卸売業は低く、次は商品を仕入れて売る小売業、モノを作って売る製造業が続きます。したがって、業界平均や同業他社との比較を行います。

業種としては、製造業の売上総利益には注目しています。なぜなら、下請け専業の場合は受注先から価格を絞られて売上総利益率は低くなりがちですが、自社オリジナル製品を持っていれば自社で価格を決められるので、高くなる傾向にあるからです。

特に、製品に技術力やオリジナリティがあれば、その率を高くすることが出来るので、優良企業となっています。売上総利益率が高いのに、営業利益が赤字だとすれば、経費コントロールが出来ていないか、役員報酬を取り過ぎていることが疑われます。

一方、サービス業はモノを売っていないので売上総利益率はさほど重要視していません。
売上高の源泉である技術やサービスを提供するのは人であり、その人への対価である人件費は売上総利益の下の販売費及び一般管理費に計上されるからです。

売上高同様に売上総利益も並べて比較します。前年よりも増えているか、その率はどうか。
5年ほど並べてみて、例年に比べて増えているのか減っているのかに注目します。